出発準備  1/12 終日 1/13 午前 1/13 午後 1/14 午前 1/14 午後 1/15 その後

■(午後)アンコールワット

 午後から、二組の御夫婦がこの旅程に参加してきた。私と、二組の夫婦と、ケリア、運転手、の計8人を乗せて、バスは出発した。
 いよいよアンコールワットの観光である。アンコールワットは水深2メートルくらいの堀に囲まれており、その堀を越える橋が二箇所ある。西が正面で、その橋の入り口で、チケットチェックを行っている。
 ここに到着する前に想像していたのは、入り口にはきちんとゲートがあり、不正入場は出来ないようになっているのだろうと思っていたが、実際そこに行ってみると、特に何のゲートもロープもあるわけでなく、ただ現地の人が、参道に入ろうとする人に声をかけて、チケットをチェックしているだけだった。観光者の人数が増えたら明らかに対応できなさそうだ。

 堀を渡る橋は、長さが200メートルほどあり、それを歩いていくと、西塔門にたどり着く。西塔門のそばまで行くと、中央祠堂(代表的な、先がとんがっている建物)は一旦見えなくなる。



▲堀の外から眺めたアンコールワット



▲堀を越え、西塔門へ向かう(mpegファイル/3.0MB)


 西塔門をくぐると、再び視界が開ける。参道がまっすぐ伸び、その先に中央祠堂がそそり立っている。観光客の数はそこそこで、中には、橙色の衣をまとったお坊さんもちらほら見かける。



▲(左)アンコールワット中央祠堂とお坊さん / (右)スケッチしている人




▲復旧中の経蔵。復旧には日本も協力している


 参道を途中までいくと左に池が見えた。その池の前に立つと、中央祠堂が池に写って見える。記念写真の名所である。私は同行したご夫婦のうちの一人に、ケリアとツーショットで撮影をしてもらった(下)。



 記念写真の後、私たちは、池を左に迂回し、第一回廊の角から中に入った。



▲第一回廊へ向かう(1.9MB)



▲日本人が1600年頃書いた落書き


 第一回廊に入ると、そこはバイヨンに引き続き、見事なレリーフが私たちを待っていた。バイヨンのレリーフが人々の生活の様を彫り刻んでいたのに対し、アンコールワット第一回廊のレリーフは、宗教的な物語が詰めこまれていた。
 神々の戦いや、天国の様、地獄の様が、動画のように繰り広げられている。 「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」の物語を良く知っていれば、理解が深まるもので、ケリアがかなり仔細に描かれている物語を説明してくれたので、十分に楽しめた。



▲第一回廊のレリーフ(1.4MB)


 第一回廊を見て回る途中で、1600年頃に日本人が書いた落書きも見物。その後、第一回廊と第二回廊の間に出た。建造物と建造物の間、急に静かになり、鳥の鳴き声が急に耳に届くようになった。ふと見上げると、お坊さんが二人、第二回廊の高みに立っていた。その姿がとてもまわりの景色にマッチしていて、ああ、ここは宗教建造物なのだなぁ、という感慨を改めて得た。



 第二回廊に入るには、急な階段を上らなければならなかった。人肌より温かい石に手をつきながらそれを上りきると、さらに、中央塔を包み込む第三回廊の急な登り階段が立ち現れてきた。



▲第二回廊に入るための急な登り階段(3.5MB)


 階段をのぼりきると、そこはアンコールワットの中心だった。観光客がたくさんいたのが少しもったいない感じがした。クメール王国が栄華を誇った時期には、おそらくこの場所に立ち入れる人は極めて限られた人で、その場所に、何百年もたったこの今、同じように立てることがなんとも不思議だった。
 感動というよりは、不思議な感じ。今まで体験したことのない現象に出会い、それが自分の心の中でどこかに整理できそうだが、どこにも整理できる場所が無い感じだった。



▲中央祠堂(2.4MB)


 アンコールワットの急な階段を下りながら、良く体力が持ったな、と、これもまた不思議だった。この空間に足を踏み入れ、何らかの化学反応により、ノルアドレナリンが供給されたのだろう。

■夕方〜夜

 この日は、プノンバケンという丘から夕日を見る予定だったが、雲が厚く、見える可能性がほぼ無くなったので、予定を変更し、市場へみやげ物を買いに行くことになった。

 バスは私達を、トンレサップ川沿いのオールドマーケットに連れて行った。
 ここで1時間程度の自由時間となった。まずは道路に面したみやげ物屋を端から端まで歩いてみた。金属の置物や、織物、木彫りのミニチュアなど様々なものが置いてあった。
 象の置物を頼まれていたので、それを見て回ったが、どれも妙に出来が悪い。日本のきめ細かい造形物を見慣れていると、おそらく現地の人が作ったであろう置物は、継ぎ目がきれいにつながっておらず、どうみてもガラクタにしか見えない。
 その中でも比較的ましなものを見繕ってひとつ購入してみる。
 それから、お箸のセットを購入。さらにTシャツと、織物を1つ購入。一番高かったのは織物で、12$だった。日本円にすれば十分に安いが、すでに現地価格に慣れ初めていたので、ちょっと高いかなーと感じで迷ったが、織り具合が実に美しかったので思い切って買うことにした。



 買い物の途中で、奥の通りにも迷い込んだ。そこには、日用品や、大量の食料品が販売されていた。中でも魚を売っている薄暗いエリアがあり、そこは生もののにおいが立ち込め、そこを歩くだけで鼻の奥がくらくらした。暗くて商品が良く見えないほどだったが、目が慣れてくると、見たことのない魚がいくつも目に入った。
 そういえば、下北沢の駅のそばにも薄暗い市場があり、そこでも日用品や魚や野菜を売っているが、それを20倍くらい怪しくした感じだった。
 市場を歩いていると時間を忘れ、いつまでもぐるぐると歩いていられそうだった。
 ふと気付くとまもなく集合時間となっていた。急いでバスに戻ると、同行のご夫婦達もおみやげ物を買い込んでいるようだった。



▲市場の中(4.2MB)


 その後、夕食に連れて行かれた。カンボジア名物料理だそうだが、レストランの建物の二階に上ると畳を敷き詰めた50畳くらいの部屋があった。シェムリアップで畳の上で御飯を食べられるとは思わなかった。
 夕食はしゃぶしゃぶのような鍋物だった。御飯は長粒米だったが、いつぞやの米不足の時のブレンド米よりは、ぜんぜん食べられるものだった。
 相変わらず飲み物でミネラルウォーターを注文。ここまでで3種類くらいのミネラルウォーターを飲んでいて、ブランドによって味がかなり違うことが判明。このときの水は一番おいしかった。
 アンコールビールもあったが、キャッシュがそれほど無かったのと、最近どうもアルコールが苦手になってしまったので、結局アンコールビールは飲まずじまいだった。

 夕食後ホテルに戻ると、家族・知人宛と自分宛に絵葉書を書き、それをフロントに持っていった。日本にこれを出したいと伝えると、1枚につき1ドルだとのことなので、枚数分のドルを一緒に渡した。



▲日本到着後数日して届いた自分宛の絵葉書


 その後は、歩き疲れたのと、翌朝日の出を見にいくために朝早く起きなければならなかったので、すぐに布団にもぐりこんだ。


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